高金利通貨15ヶ国分の直近10年間実質リターン(ドルベース)を計算してみた

2019年4月15日

年末年始は日本で過ごしているのですが、寒くて外出する気がせず余りにも暇なので、以前から気になっていた「高金利通貨の実質リターン」を計算してみました。

まず、「新興国通貨(高金利通貨)は通貨安によって金利分が相殺される」という説が広く信じられていますが、少なくともベトナムドンには全くあてはまりません。

参考

上の記事では、はっきりしたデータがある直近10年分で計算していますが、実は2000年を起点としてざっと計算した場合でも、「19年間でドルベース利回り5.5%超」という結果になります。
【ちゃんと計算したら5.95%でした。→
2000年以降ベトナムドン預金のドルベース利回りは常にプラス

このデータをまとめた時から、他の高金利通貨ではどうなのか気になりつつ何もしてなかったのですが、今回ようやく調べてみたという次第です。

対象通貨

インドルピー
インドネシアルピア
ウガンダシリング
ケニアシリング
コロンビアペソ
スリランカルピー
トルコリラ
ナイジェリアナイラ
パキスタンルピー
フィリピンペソ
ブラジルレアル
ベトナムドン
メキシコペソ
ルーマニアレウ
ロシアルーブル
[参考]米国ドル
なぜこの15ヶ国(+米国)かと言うと、高金利通貨のうちインターネットで容易に参照できるのがこれらの国々だけだったからです。ちゃんと調べればもっとあるでしょうけど、そこまでは面倒なのでやりません。

条件

2009年1月から毎年1年国債を買う。利子は再投資(=複利で運用)する。
2019年1月時点でのドルベース利回りを計算。

計算結果

ドル利回り順新興国債券利回り表

青字は各項目ベスト1,2位、赤字は同ワースト1,2位。
※インベスティングドットコム日本版のデータから作成。

Screenshot_20190102_131738.png

ドルベース利回り1位はケニアで8.13%、2位はウガンダで5.85%でした。ウガンダは90%という高い通貨減価率を記録しましたが、12.37%の異常な名目金利でそれを補いました。
ケニアは30%と相対的に低い減価率でありながら、名目金利は二桁の10.12%で、利回り1位となりました。

経済制裁によりルーブル暴落のロシアがワースト1位で-5.93%、高金利通貨界のスーパースター、トルコは-2.33%でワースト2位でした。

こちらは名目金利順に並び替えた表です。

Screenshot_20190102_134115.png

名目金利順新興国債券棒グラフ

⚫名目金利10%以上の「超高金利通貨」は4通貨
ウガンダ、ナイジェリア、ブラジル、ケニア
-このうち、ナイジェリア以外はドルベース利回り5%超となっています。

⚫名目金利5%以上は11通貨
ウガンダ、ナイジェリア、ブラジル、ケニア、トルコ、スリランカ、パキスタン、インド、ベトナム、インドネシア、コロンビア
-このうち6通貨がドルベース利回り4%超、2通貨が3%台、他2通貨で0%以上3%未満、元本割れはトルコのみとなっています。

⚫フラジャイル5もトルコ以外プラス
フラジャイル5(FRBの量的緩和縮小によって下落しやすい新興国通貨=ブラジル、トルコ、インド、インドネシア、南アフリカ)のうち南アフリカ以外の4通貨のデータがありますが、ドルベース利回りは以下の通り、トルコ以外プラスとなっています。

ブラジル5.18%
インドネシア4.05%
インド3.25%
トルコ-2.33%

まとめ

このデータは国債投資での結果なので、銀行に預けた場合はさらに1~2%程度利回りが高くなるはずです(実際、ベトナムドンの銀行預金での利回りは6%超です)。
サンプル数が少ないので相関性を論じていいのか微妙なところですが、「名目金利の高い通貨は実質リターンも高い可能性は否定できない」ぐらいは言っていいでしょう。

ただし、現実に投資するには為替手数料、送金手数料などが掛かる上、そもそもケニア国債とかどうやって買うんだよ的な問題があるので、そういった諸々の面倒コストを考えると、大人しくドル建てで利回り4%ぐらいの社債でも探して買ったほうが楽かもしれません。

ちなみにSBI証券で売っている新興国通貨建ての債券は為替手数料が高いので、注文する前によく考えたほうが良いでしょう。

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自己紹介

20代で死ぬほど働いて1500万円貯めてセミリタイア。

現在は少々の労働収入と投資収入でベトナムを拠点に生活しています。

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