ベトナムドン:定期金利VS為替安は今年も定期金利が圧勝。これで10年連続勝利
2018年ベトナムドンの下落率は2.15%
本日、今年最後の政府統計発表がありました。それによると、インフレ率は前年比2.98%であり、先月より0.5ポイントほど下がりました。
…と、毎月ベトナムのインフレ率をお知らせしていますが、実のところ、ベトナムドンで資産約1000万円保有する者として、インフレ率はさほど気にしていません。理由は以下の2点です。
第一に、インフレ率には信頼性の問題があります。統計の中でもインフレ率の算出は極めて複雑であり、先進国においてもその正確性の議論が交わされています。
ましてやベトナムでどれほどの精度でデータが収集分析されているのか些か疑問があります。
第二に、ベトナムで物価があがったところで、私の資産が減価するわけではないという点です。
物価上昇で直接影響を受けるのは、その国で働き、生活している人たちであって、私のようにいつでも動ける人間は、物価が著しく上昇したら、よりコスパが良い国に乗り換えるだけです。
この観点から、インフレ率より重要なのはベトナムドンの対ドル下落率です。インフレ率がどれだけ低かろうが、ベトナムドン自体が減価したら当然資産も減価してしまいます。
今年1年間でベトナムドンは対ドルで2.15%下がりました。
年初時点での預金金利(SCB:サイゴンコマーシャルバンク)は8.2%でしたので、ドル換算での利回りは6%ほどということになります。
「利回り6%」というと高い数字に見えるかもしれませんが、この10年間の平均とだいたい同じぐらいです。
参考:
10年前にベトナムの銀行に100万円預金していたら、現在日本円でいくらになっていたか
2008年以外は名目金利が通貨下落率を上回っており、ここ13年間で12勝1敗です。
→データが間違っていました。正しくはこちらをご覧ください。
2000年以降ベトナムドン預金のドルベース利回りは常にプラス
一般に「高金利の通貨は、為替安が進むのでリターンは低い」というような説が流布していますが、少なくともここ13年間のベトナムドンには当てはまらないということがわかります。
もっとも、2019年以降どうなるかはわかりません。
日本においても1990年には郵便貯金定期が6%ありましたが、わずか数年で2%近辺まで下がりました[不破雷蔵「100年以上にわたる郵便貯金の金利推移をさぐる」より]。
ベトナムでも同様のことが起きないとは言い切れません。
ベトナムドンで預金したいという方は自己責任でどうぞ。
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