定年退職から平均健康寿命まで7年しかないという事実
ベトナムはテト(旧正月)を目前に控え、街もテト風デコレーションになってきました。
ベトナム人が一番機嫌が良いのがテト休暇前のこの1週間です。
貧乏セミリタイア民としては、テトは屋台も休業するところが多く、営業している店は正月価格で高くなるので全然嬉しくありません。
▲テト前に大きな鉢植えの花を買う習慣があります。
さて、本日は老後についてのお話です。
セミリタイア生活をしていてよく聞かれるのが
「老後はどうするの?」
という質問です。
普通に日本で働いていても老後が不安なのに、こいつは一体どういう考えでセミリタイアしてんだ? という趣旨の疑問でしょう。
平均寿命と平均健康寿命
老後を語る上で重要なのは、「健康寿命」です。
健康寿命とは、心身ともに自立し、健康的に生活できる期間
2000年にWHO(世界保健機関)が健康寿命を提唱して以来、寿命を延ばすだけでなく、いかに健康に生活できる期間を延ばすかに関心が高まっています。【公益財団法人生命保険文化センター「健康寿命とはどのようなもの?」より引用】
どれだけ長生きしても、寝たきりで要介護の生活が長期間続いてしまったら、それは豊かな人生とは言えないでしょう。そこで、近年では平均寿命とともに平均健康寿命が重視されています。
2018年厚生労働省発表によると、日本人の平均健康寿命は女性74歳、男性72歳だそうです。
どう思いますか?
「70前半まで元気でいられるなら充分じゃん」
と思う人もいるかもしれませんが、私はむしろ絶望感すら覚えます。
72~74歳が健康寿命ということは、定年退職後自由に動ける期間は7~9年しかないことを意味するからです。
つまり、日本人の平均的な人生は以下の通りです。
率直に言ってクソゲーです。
仕事パートが長すぎます。
成人してから健康寿命までの50数年のうち40数年が仕事パートという設定は明らかにバランス崩壊しています。
「仕事は楽しくてやりがいがあるよ!」
と言う幸せな人はどうぞ一生働いてください。
「健康でなくなった時のために資産を蓄えたい」
という慎重な人もどうぞ働き続けてください。
私は仕事が全然楽しくないし、健康でいられる貴重な時間を無駄にしたくないのでセミリタイアという選択をしました。
「老いるってことは、想像以上に残酷だ」
北野武氏が雑誌のインタビューでこう語っています。
最近「老い」とか「老人の孤独」をテーマにした本が次々とベストセラーになっているらしい。その多くは「老後を素晴らしく、充実したものにするにはどうすればいいか」を語っている。だけど、オイラの考えは違う。老後なんてのは「くだらなくて、みすぼらしい」のが当然だ。それを「素晴らしいもの」にしようと虚勢を張ると、かえって辛くなってしまうんだよ。
(中略)
孤独礼賛本が隠している人間の真理は、「人生は、年齢を重ねるほどつまらなく不自由になっていく。夢のように輝かしい老後なんてない」ってことだ。老いるってことは、想像以上に残酷だ。
【週刊ポスト2018年12月14日号より引用】
富も名声も手に入れた北野氏の言うことだけに説得力があります。
だらだらと書いてきましたが、「老後どうするの?」という質問に対しては、
「老後に備えて働き続けても、70そこらでまともに体が動かなくなるし、どうあがいても老後は『くだらなくて、みずぼらし』くて『想像以上に残酷』なんだから、今のうちに最小限の労力で最大限に人生を楽しんでいくよ」
というのが私の答えとなります。
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