高級ホテルにリゾバで行ったら同僚から無視された件
2ヶ月ほど夫婦で高級ホテルにてリゾートバイトしてきました。
そこで見たのは華やかな外面と裏腹の過酷なブラック労働、杜撰な清掃、陰湿な村社会でした。
なお、当記事の画像は全てイメージです。実際のホテルとは関係ありません。
リゾートバイトとは
リゾートバイト(リゾバ)は、日本全国のリゾート地で住み込みで働くアルバイトの形態です。
この働き方では、通常のアルバイトとは異なり、家賃・光熱費が基本的に無料で提供されます。
そのため、生活費を気にせずにお金を稼ぐことができます。
リゾートバイトで職探しする手順
リゾートバイトに特化した派遣会社がいくつかあるので、そこに登録して探します。
2. 電話面談で具体的な希望条件を話す
3. 派遣会社から仕事の紹介を受ける
4. 気に入った仕事があれば申込み
5. 数日後、採用可否の連絡をもらう
リゾートバイトの年齢層
リゾートバイトというと、大学生が夏休みにするバイトというイメージがありますが、実際行ってみると大学生は少数派です。
40代や50代も珍しくなく、直接雇用のパートさんは60代で働いている人もいるため、年齢が原因で浮くことはありません。
高級ホテルでのリゾバ
私たちが派遣先に選んだのは1泊7万円〜の高級ホテルでの客室清掃担当です。
時給1,350円と比較的給料が良かったことと、一流ホテルの内側を見てみたいという好奇心からここを選択しました。
某一流ホテル客室清掃の実態
ホテル清掃の進め方はいくつかありますが、今回のホテルでは2人1組で1部屋丸ごと仕上げていくシステムでした。
高級ホテルはアメニティやタオルが非常に多い上、畳み方や置く順番にもルールがあるため最初は
と不安になりましたが、遅い人でも2週間すればほぼ習得でき、1ヶ月もすれば
などと考えながらでもこなせるようになります。
労働時間が長い
安宿にしか泊まったことがない私は全く知りませんでしたが、高級ホテルにはイブニングサービスというものがあります。
昼の通常清掃とは別に、夕方に再び清掃員が部屋を訪れアメニティ補充、タオル交換、ゴミ回収などをするサービスです。
高級ホテルの清掃業務ではこれが大きな負担になっています。
おおむね午後5時ごろからイブニングサービスに入りますが、その時間にはまだ通常の清掃が終わっていません。
よって、夕方以降はイブニングサービスと通常清掃で半々ぐらいに人員が振り分けられることとなり、労働時間が長引きます。
10時間労働は当たり前といった感じでした。
と現場長に聞いてみましたが、
と一蹴されました。
「派遣ごときが意見するな」という差別意識と「自分にそんな権限はない」という実情が垣間見えた瞬間でした。
手抜き清掃を余儀なくされる
上記のような状況のため、会社からは
と常にプレッシャーをかけられます。
会社のマニュアルでは1時間1部屋ペースで清掃完了しなくてはならないそうです。
移動や準備もあるため、1部屋に費やせる時間は実質50分です。
はっきり言ってまともに清掃したらこれは不可能です。
高級ホテルなので一番安い部屋でもトイレ・シャワーが2つと洗面所が3つあり、備え付けの食器類の洗浄にも時間をとられ、広大な部屋は掃除機をかけるだけで30分は必要です。
当然ながらベッドメイキングも行い、シーツにしわ一つないようキレイにしあげなくてはなりません。
このような状況で「1部屋平均1時間」をクリアするには、手を抜くしか方法はありません。
手抜き清掃テクニックはいろいろありますが、
✔掃除機は主に洗面所周りだけ(抜け毛がよく落ちているので)
✔食器洗いは洗剤を使わない
といったところが代表的です。
高級ホテルとビジネスホテルの人材レベルは同じ
と思っていましたが、実際には下請けの清掃会社に丸投げであり、その清掃会社はアルバイト・パート・派遣社員に業務を任せっきりです。
今回のホテルでは客室清掃スタッフ50人超のうち正社員は2人だけでした。
当然、新人教育もバイトや派遣が担います。
それ自体はどの業界でもよくありますが、客室清掃の場合は密室での業務であるため、正規のやり方とは違う「裏マニュアル」が横行しやすくなります。
正規:洗剤で洗う
裏:水で流すだけ
正規:専用タオルを使う
裏:客の使用済タオルを使う
正規:くまなくかける
裏:一部だけ
正規:雑巾を毎回換える
裏:雑巾使いまわし
他にはマニュアル以前の問題として、床を拭いた雑巾で食器を拭いたり、トイレ掃除した手でそのままタオルを畳むといった行為もあります。
あまりに忙しいため、そのあたりの見えない衛生面はおざなりになりがちです。
契約変更で反感を買う
募集要項には
と記されていましたが、実際には19時、20時まで勤務するのは当たり前といった状況でした。
客室清掃という肉体労働でこれはあまりにもつらいので派遣会社を通して交渉してもらい、残業なしで5時上がり固定という契約にしてもらいました。
するとこれが現場長の不興を買い
などと根も葉もない噂を流されてしまいました。
他の派遣社員も
という妬みもあって、あからさまに無視する同僚もいる始末です。
30超えた大人が気に入らない同僚を無視するという小学生じみた行動を取るとは衝撃でした。
と思いますが、なぜかそうはしないようです。
みたいな意識があるっぽいです。
長時間労働になるのは人員を集められない会社の失態なので、派遣社員やアルバイトがその尻拭いをする必要はありません。
正にこの状況↓です。
※「OL進化論」より
高級ホテル勤務の利点
一流ホテルに勤務して良かったこともありました。
ビュッフェの残り物を貰える
宿泊客には朝食ビュッフェが提供されますが、午前11時ごろになるとその残り物が従業員に提供されます。
客室清掃は何時に休みを取っても良いので、ビュッフェの残り物が来る時間に合わせて休憩を取っていました。
客の残し物も貰う
ウエルカムフルーツやケーキをそのまま残す客がたまにいるので、これも貰ってしまいます。
これは表向きはダメですが、食べないと捨ててしまうので皆発見次第速やかに食べていました。
豪華客室に触れられる
ひとつのホテル内にさまざまなグレードの部屋がありますが、その全てをくまなく見ることができたのは良い経験でした。
最上級の部屋は1泊20万円以上ですが、中級の部屋を引き伸ばしてただ広くしただけであまり魅力を感じませんでした。
総収入
2ヶ月ほど勤務した結果、総支給額は2人合わせて手取り約100万円になりました。
支出は2人で11万円ほどなので、90万円ほど貯金を増やせたことになります。
高級ホテルでのリゾバまとめ
高級ホテルでのリゾートバイトは長時間労働でつらい上、ブラック企業に染まった同僚からは無視されるという仕打ちに遭いましたが、ビュッフェ残り物に有りつけたり高級客室に触れられたのは良い経験でした。
高級ホテルでも清掃はテキトー、というか下手すると高級ホテルだからこそブラック労働で清掃クオリティが低い可能性すらあるという知見が得られたのは望外の収穫です。
私は自分の金で高級ホテルに泊まることは絶対にないでしょう。
オススメリゾバ派遣会社
最後にもう一度、オススメのリゾートバイト派遣会社を紹介しておきます。
今回行ったホテルは長時間労働でしたが、中級ホテルだと9時〜15時勤務というところもあるので、自分の希望勤務形態に合わせて勤務先を選ぶと良いでしょう。
昨年行ったリゾバはコチラ→アラフォーのセミリタイア民がリゾートバイトした結果
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