ネット通販で仏像を買ってみたら価格とクオリティに驚いた
ベトナムの大手ネット通販Shopeeで木製の龍上観音像を買ってみました。
ベトナムの宗教割合
ベトナム政府の調査ではベトナムにおける宗教分布は以下の数字となっています。
カトリック: 7.35%
プロテスタント: 1.16%
カオダイ教: 1.16%
ホアハオ教: 1.47%
無宗教: 73.6%
【参照:United States Department of State】
無宗教が圧倒的多数ということになっています。
しかしこの数字は明らかに実態と違います。
私の感覚や周りのベトナム人の意見を総合すると以下の割合になります。
カトリック: 20%
プロテスタント: 10%
その他:5%
無宗教: 10%
という感じです。明らかにベトナムでは日本よりも宗教が身近です。
仏像を買う
私のベトナム人彼女も仏教徒なので、「仏像がほしい。私が買うから部屋に置いていい?」と言い出しました。
私はシミュレーション仮説を信仰する無宗教者なので
「仏像は無くても生きていけるやろ。そういうものを買うのはミニマリスト失格だ」
と反対しましたが、
「あんただってドラえもん買ったやん」
と言われてぐうの音も出ず完封されました。
Shopeeの仏像価格
例によって何でも売ってるShopeeで購入しました。
価格は80万ドン(3,710円)のところクーポンを使って送料込み70万ドン(3,256円)となりました。
Shopee仏像のクオリティ
届いた仏像(龍上観音像)がこちらです。
小さいので細かい部分が粗いかと思いきや、細部まで手抜き感はありません。
▼安い仏像は前方だけ細かく彫って後部は適当ということがよくあるらしいですが、背中もちゃんと彫ってあります。
3,000円そこそこでこのクオリティは驚きました。
Shopeeの販売画像を見た時は写真詐欺じゃないかと思いましたが、完全に写真通りの出来映えでした。
安さの理由
安価な仏像は大抵機械彫りだそうです。
▼こういうマシンでほぼ自動で仏像が作られます。
この仏像製造マシンは15,800ドルとのことです。
1万体製造すれば1個当たりのマシンコストは1.58ドルというタダ同然の金額になるので、仏像の販売価格が30ドル程度というのも納得です。
同じものを日本人仏師に依頼するとこの100倍ぐらいの価格になったりします。
そこで仏師界隈では「手彫りは気持ちがこもっている」などと言って精神面でアピールしています。
それはそれで重要なことだと思いますが、気持ちは買ってから込めれば良いという人や、そもそも気持ちとか要らんという人にとっては30ドルの仏像で十分でしょう。
お迎えの儀
線香を焚いてベトナム産ドラゴンフルーツとニュージーランド産リンゴをお供えしてお迎えの儀としました。
これで気持ちが込められました。
ベトナム人彼女は大層気に入って毎日拝み、私もクオリティに関心して定期的に眺めているほどなので買って正解でした。
お供えに向かない果物
ベトナムではオレンジとバナナはお供えに不向きと信じる人が多いです。
なぜならベトナム語でオレンジは「cam」で、これは『苦しみながら耐える』を意味する「cam chịu」「cam khổ」を連想させるからです。
バナナは「chuối」で、『転倒する』を意味する「chúi nhũi」を想起させ、ビジネスでの転落を暗示してしまいます。
これらは特にテト(旧正月)において忌避されるようです。
私の知人は、普段はオレンジもバナナもお供えしますが、テトにはこの2つの果物はお供えしないそうです。
日本での価格
Amazonでもほぼ同じものが売られています。
同じ機械で製作したのかもしれません。
日本だとベトナムの倍ぐらいの価格になっていますが、それでもコスパ抜群です。
もっと凄いのがこちらの千手観音像。
仏師に注文したら100万円ぐらいするものをこの価格で出せてしまうのだから、機械って偉大だと思います。
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