ベトナムでデング熱になって入院したときの治療費・日数
べトナムではデング熱が珍しい病気ではありません。
私も以前感染して入院しましたので、注意喚起のためここに記します。
デング熱とは
デング熱は蚊が媒介するデングウイルスによる感染症です。
比較的軽症の「デング熱」と重症の「デング出血熱」がありますが、東南アジアはその両方が発生する地域です。
国立感染研究所より
ベトナムのデング熱
厚生労働省検疫所によると、ベトナムでは2017年、デング熱患者が184,741人(死亡32人)報告されたそうです。
単純にベトナムの人口(9370万人)で割ると507人に1人はデング熱に感染した計算になります。
ベトナムでデング熱になった経過記録
場所:ベトナム第4都市ハイフォン
年月:2016年9月
1日目~3日目
体がだるく、食欲がなくなりました。無理に食べようとすると吐き気がするので、ヨーグルトとコーラでカロリーを摂取しました。
この時点では風邪だと思い込んでいたため、数日で治ると考え、病院に行く気は一切ありませんでした。
4日目
この時点でもまだ風邪だと思っていましたが、空腹でめまいがして失神しそうになったので、タクシーでハイフォンインターナショナルホスピタルへ行きました。
ここは日本語通訳(ベトナム人女性)が常勤していました。
検温・採血・レントゲン撮影をし、まだ結果が出ないうちに日本語通訳から
と告げられました。
どうやら金が有りそうな患者は病状に関わらず極力入院させる方針のようです。
大部屋は一泊10万ドン、個室は一泊25万ドンでしたが、どのみち保険で支払われるので個室を選択しました。
ちなみに私は日本も含めて人生初めての入院です。
個室に案内されてベッドを見ると、シーツに髪の毛が付着していました。
恐らく前の患者が使ったシーツがそのままになっていたものと思われます。
看護師がすぐにシーツを取り替えてくれましたが、髪の毛が付着していなかったら気付かずそのまま寝ていたかと思うと気持ちが悪いです。
ベッドで横になって30分ほどした頃、看護師が検査結果を携えてきました。
そこで「Dengue fever」という結果を見せられ、ようやく自分がデング熱だと知りました。
デング熱になった人の体験談を読むと、
「死ぬほど苦しい」
というようなことを書いている人が多いですが、私の場合それほどでもなく、ちょっと重めの風邪ぐらいの感覚だったので、この時までデング熱とは可能性すら考えませんでした。
この日から毎日8時間点滴を受けました。
5日目~7日目
この病院はインターナショナルホスピタルと名乗る割には、看護師は全員英語ができません。
おまけに、男性看護師は上だけ制服で下は私服のズボンです。
ジーパンを穿いている看護師もいて、ちゃんと毎日洗っているのか疑わしいです。
患者も9割以上ベトナム人のようだし、国際病院というよりはむしろローカル医院の雰囲気が強いです。
食事は食堂フロアがあって、1食ごとに自分でそこで買うシステムです。
そこで売っている料理は、町中の安食堂をそのまま持ってきたようなラインナップでした。
すなわち、フォー・揚春巻・煮魚・空心菜等々です。
北部なので芋虫のパリパリ炒めもありました。
べトナムでは「病人食」という概念がないらしく、これらの料理に「病人が食べやすいように薄味にする」等の配慮は一切なされていません。
健康時なら大抵の物は食べられる私でも、デング熱で弱っている状態ではフォーの匂いを嗅いだだけで吐き気を催しました。
仕方なく、果物・ヨーグルト・豆乳等で腹を満たしていました。
8日目
入院初日以来3日ぶりに日本語通訳が顔を見せました。
全然食べやすくないやろ、と思いつつも、
と即答し注文してもらいました。
15万ドン(698円)で、日本だったら二度は食べないレベルのクオリティでしたが、それでも日本の味は再現してありペロリとたいらげました。
結局退院までほぼ毎日この店で弁当を注文しました。
9日目
未払い入院費が溜まってきたので、ここらで払えと会計部から指令がありました。
払うのは当然としても、混雑する窓口まで自分で行って支払うシステムです。
だいぶ治ってきたとはいえ、病人にこの仕打ちは非道です。
10日目
明らかに体調は良くなっています。
医師が言うにはほとんど治りかけているが、血中のなんやらの数値が完全ではないので、もう数日入院を続けるとのことでした。
12日目
晴れて退院となりました。
しかし領収書をめぐって一悶着ありました。
「入院費」の領収書は貰ったが、初日に検査を受けて支払いをした時に「検査費」の領収書を貰っていませんでした。
通訳の人に調べてもらいましたが、1時間ほど待たされたあげく、
検査費は228万ドン(10,604円)かかっているので、なんとしても領収書をもらわなくてはなりません。
通訳氏は次の仕事があるらしく、明らかに早く切り上げたがっていましたが、領収書がどうしても必要であると食い下がるとようやく
ということになりました。
退院2日後
通訳氏から、
と連絡があり、再び病院へ行き無事領収書の受け取りが完了しました。
治療費用
検査費:228万ドン(10,604円)
入院費:1006万ドン(46,790円)
合計:1234万ドン(57,394円)
楽天カード付帯の海外旅行保険で満額支払われました。
デング熱で入院まとめ
発症から完治まで12日間、治療費は57,394円でした。
私の場合症状が比較的軽かったこともあり、デング熱よりもベトナム病院特有のあれやこれやのほうが印象に残りました。
病院までのタクシー代も保険の対象となるので多少無理してもハノイまで行って外資系病院に入院するべきでした。
上述した通り、デング熱はベトナムでは極めてポピュラーな病気ですので、虫除けスプレーや蚊帳などで蚊対策を十分に講じることをお勧めします。
関連記事→ベトナムのローカル診療所で狂犬病ワクチンを打った話
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