ベトナム株投資は10年以内に止めます
私はベトナム株ETFを241万円分保有しており、株式ポートフォリオのうち17%を占めます。
しかし、今のところこれを10年超保有するつもりはありません。
ベトナムの懸念材料
ベトナム株式投資にあたっては2点の懸念材料があります。
流動性の問題
1つ目は流動性の問題です。
現地証券会社でベトナム株を取引きしている場合、ベトナムからお金を出す手続きがややこしいです。
2020年時点では現地であっさり送金できましたが、国外からの手続きがどうなのか実例が少なく、またルールがコロコロ変わるので、お金が必要な時にすぐ現金化できるとは限りません。
いやー、邪魔くさい。
ベトナムから日本に送金をする手順が。。
①公証役場
②法務局
③外務省
④ベトナム大使館
8月から動き出してやっと12月に④までいったがパスポートコピーにも認証してもらわな行けない事がわかる。
なんで、今日はパスポート持ってまた①に来た。
二回目なんで即効終わらせる!— 4児父+サラリーマン大家+レンスペで闘うの巻き (@libe_sho) December 23, 2021
関連記事→ベトナムから日本に700万円送金しました/送金費用・手続き
ただし、これはSBI証券などの日本の証券会社を利用すれば解決します(その代わり手数料が高い)。
中所得国の罠
より大きな問題はこちらです。
ベトナムは果たして中所得国の罠を乗り越えられるのかという懸念です。
中所得国の罠(Middle-income trap)は、自国経済が中所得国のレベルで停滞し、先進国(高所得国)入りが中々できない状況をいいます。
具体的には、新興国が低賃金の労働力等を原動力として経済成長し、中所得国の仲間入りを果たした後、自国の人件費の上昇や後発新興国の追い上げ、先進国の先端イノベーション(技術力等)の格差などに遭って競争力を失い、経済成長が停滞する現象を指します。
【出典:iFinance】
現在のベトナムは賃金の安さを武器に経済成長していますが、今後賃金が上昇するとアドバンテージを失い、成長が鈍化する可能性が高いです。
そこから更に成長し高所得国の仲間入りを果たすには、イノベーション能力の向上が重要とされています。
参考:アジア経済研究所『「中所得国の罠」脱却に向けた3つのポイント』
と思っていた時期が私にもありましたが、ある程度の期間ベトナムで生活しこの国の実情を知るにつれ、
に変わってきました。
新興国のお決まりですが、主に汚職の蔓延やモラルの低さという面で問題があります。
たとえば公共プロジェクトの予算の一部は当然のように関係者の懐に入ります。
その結果、予算が足りなくなりプロジェクトが遅延・中断することは珍しくありません。
インフラ整備といった重要な分野でもこれをやってしまうので、長期的かつ安定的発展という観点ではかなりまずいです。
一人当たりGDPから考える撤退時期
一般に、一人当たりGDPが1万ドル前後に到達すると中所得国の罠に陥りやすくなるとされています。
現在ベトナムの一人当たりGDPは4,162ドルです。
仮に年平均6%で成長していくと、2033年には7,453ドルに到達します。
1万ドルにはまだ少し余裕がありますが、株価は実体経済に先行するので、この辺りで撤退を考えたほうが良いだろうと私は思います。
今後の展望
ベトナムは今後10年程度は賃金の安さを武器に経済発展すると思います。
しかしそれ以降の成長は個人的にはちょっと疑わしいです。
よって2030年あたりから資金の引き上げを始めようかなと考えています。
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