ベトナムドンで約1000万円運用している私がベトナムドン預金のデメリットやリスクを解説します

2020年3月25日

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このブログではベトナムドン預金の実質利回りの高さを強調してきました。

ベトナムドン預金の実質利回りの高さが世に知られていないどころか、

「ベトナムドン預金は実質利回りトントンかマイナス」

という根拠のない説を信じている人たちも多く存在する状況を遺憾に思い、上記の記事を書きました。

ところが先日、数人のベトナム在住日本人と話していたところ、

「定期金利8%だから、100万円預けると1年後108万円になる。ノーリスクでお金が増える」

と言うようなことを言ってる人がいて、私は今さらながら

「リスクを知らずにベトナムドン預金をしている人もいる」

ということに気付きました。

リスクやデメリットを理解せず運用するのは好ましくないので、本記事ではベトナムドン預金のネガティブな要素について解説します。

為替リスク

前述の「100万円が108万円に」という発言に欠けている視点が「為替リスク」です。

たとえ金利が8%あっても、1年後にベトナムドンが円に対して10%安くなっていたら、100万円が約98万円になります。

これが為替リスクです。

ここ20年間は、ベトナムは通貨安以上に名目金利が高かったため利回りは大幅にプラスでしたが、今後どうなるかはわかりません。

ベトナムの信用格付けは低い

格付けとは▼

国や企業の発行する債券の信用力や元利金の支払い能力の安全性などを総合的に分析しランク付けしたもので、アルファベットなど分かりやすい記号で示される。

格付けは民間の格付け会社によって行われ、投資をする際、信用リスクを測る重要な指標のひとつとなる。

【野村證券「証券用語解説集」https://www.nomura.co.jp/terms/japan/ka/kakuzuke.htmlより】

ベトナムに対して、格付け会社のS&Pとフィッチレーティングの2社ともに

「投機的水準」

という評価を下しています。

投機的水準とは▼

債務が履行されない可能性が高い状態のこと。「投資不適格」ともいう。

(中略)投機的水準の企業が発行する債券はジャンク債あるいはハイ・イールド債と呼ばれ、相対的に金利が高く、リスクが高くなる。

【野村證券「証券用語解説集」https://www.nomura.co.jp/terms/japan/to/toukiteki.htmlより引用】

つまりベトナムは

「金を貸したら返さないかもしれないヤベえやつ」

という評価が与えられているということです。

ベトナムは近年債務残高が拡大していて、公的債務残高は対GDP比60%超、対外債務残高は対GDP比49.7%に到達しています。

これ自体は直ちに危険という水準ではないものの、憂慮すべき問題として指摘されています。

クオン博士は、「ベトナムの公的債務の対GDP比率は、他の発展途上国や東南アジア各国の平均と比べてかなり高い」とし、各国の公的債務の対GDP比率の一例として、インドネシア24.4%、タイ45.9%、フィリピン50.2%、ラオス46.3%などを挙げた。

さらに、クオン博士を不安にさせているのは、ベトナムの公的債務が急速に増加していることであり、過去5年の平均増加率は18.4%で、これは経済成長の3倍の速度にあたるという。

【TUFS media「まだ豊かになっていないのに高齢化と多大の債務を抱える状態に陥る危険性」http://www.el.tufs.ac.jp/prseas/html/pc/News20171108_192638.htmlより引用】

要するにベトナムは

「給料が増える以上に借金増やしてるヤべえ奴」

です。

こうした状況が「投機的水準」という低評価につながっています。

これはベトナム政府への評価なので、銀行はさらに評価が低いということになります。

この信用の低さが金利の高さの理由の一つとなっています。

ベトナムから日本への送金が難しい

ベトナム経済ヤバそうだな、と思った時にすぐ円に替えて日本に送金できれば良いですが、ベトナムでは外国人は海外送金できません。

上記の記事では暗号通貨での送金や海外デビットカードでの引き出しを勧めましたが、ベトナムが経済危機に陥ったらそれすらも封鎖されてしまうでしょう。

逃げ場はありません。

株のほうが利回りが高い

ベトナム経済が今後も順風満帆に発展していくと想定した場合でも、ベトナムドン預金はベストの選択ではないかもしれません。

なぜなら、ベトナム株の実績利回りが預金を上回っているからです。

上記の記事では、それぞれに積立投資した場合、ベトナム株の資産額はベトナムドン預金の1.3倍になるという計算結果を示しました(配当利回り3%の場合)。

一般に、長期的に株は預金や債券の利回りを上回るとされています。

それが真実であるとすれば、今後も長期投資ではベトナム株がベトナムドン預金に勝つということになります。

まとめ

ベトナムドン預金がいかにクレイジーな選択かご理解いただけましたでしょうか。

ベトナム在住で気軽にドン預金を始めている人が結構いるようですが、本来そんなにライトでカジュアルなもんじゃないよ、とお伝えしたいです。

かくいう私はベトナムの銀行に830万円ほどぶち込んでいます。

私はクレイジーだから良いのです。

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自己紹介宮内健吾Ⓐ、29歳の時に資産たったの1500万円でセミリタイア。

少々の労働収入と投資収入でベトナム生活を満喫していたところ、コロナ禍で仕事を失い暗転。

詳しくはプロフィールをお読みください。